更なるスキルアップを目指して、呼吸法を習得しませんか?ボイス教授の解説を聞いて、是非、呼吸法、習得にお役立てください。
「ワシの名前はボイス教授。ボイストレーニング予備校の校長じゃ。
日夜声について悩んでいる人々を救っておる。おっ!今日も迷える子羊がやってきたようじゃな。」
「ボイス教授!」
「お、シンジ君、なんじゃな、何か悩みでもあるのかな?」
「そうなんですボイス教授、実は歌ってていつも息苦しいというかメロディーのフレーズの最後のほうになるといつも尻切れとんぼになっちゃうんですよね。僕、腹式呼吸が全然できてない気がするんです。」
「腹式呼吸か。腹式呼吸にどんなイメージを持っておるかな?」
「おなかで呼吸することですかね!?でも歌っていると呼吸は正直よくわからなくなってきます。」
「フム、よかろう。今日は腹式呼吸、いや呼吸と歌の関係について教えよう。」
「シンジ君、呼吸が歌にとってなぜ大事かわかるかな?」
「なぜと言われると困っちゃいますね。なんででしょう?」
「例えばシンジ君、息を止めた状態で声をだしてごらん。」
「!!!教授それは出ませんよ。出るわけないじゃないですか!」
「じゃあ息を止めた状態で歌ってごらん。」
「声も出せないのに。。それも当然無理です。」
「そうなんじゃ声を出すとということそのものが呼吸と密接に関わっておるんじゃ。声帯というものがあるじゃろう。」
「ハイ前に説明してもらいましたね。」
「声帯が閉じてその隙間を息が通ることで振動が生まれ、声が出る。息と声は「声=息」とも言えるほどなんじゃな。呼吸を制すものは...」
「歌を制すと!?」
「そうじゃ、さて、そもそも呼吸器官として人間が持っているのは肺じゃ。これはわかるね? シンジ君。」
「ハイ、学校で習いました。ということは肺呼吸ってことですか? 腹式呼吸ってなんなんでしょうか?」
「まあまあ慌てるでない。ゆっくりと説明していこう。人間は肺呼吸であることは確かなのじゃが、肺自体が動いて呼吸するわけではないんじゃ。」
「肺自体は動かないんですか? じゃあどうやって呼吸するんです?」
「肺は言うなれば、ただの空気を入れる袋じゃ。実際に空気の出し入れ、つまり吐いたり吸ったりの作業は主に横隔膜が働いておる。」
「あ、前回少し出てきましたね。横隔膜という膜ですか? イメージが湧きづらいんですがどういう仕組みなんですか?」
「仮に肺が袋だとしてビニール袋を想像してみよう。そしてビニール袋の下を手で支えるとする。それが横隔膜じゃ。」
「なるほど肺の下にあるんですね。」
「そうじゃ、正確には胸骨の下にある。ビニール袋の下で支えている手をビニール袋を押しつぶすように上に上げていくと、ビニール袋の中の空気が出るじゃろう?」
「なるほど!!」
「反対にその状態からビニール袋の下の手を下げていくとビニール袋が元に戻り、ビニール袋の中に空気が満たされる、これが空気を吸うということなんじゃ。」
「へえ。ということは横隔膜が呼吸の決め手なんですね!」
「その通りじゃ。まとめると通常の呼吸の場合吸う時に横隔膜は下がり、吐く時に横隔膜は上がる。この理解がまずは大事なんじゃ。」
「でも腹式呼吸とかってどういうことなんですか、自然な呼吸も腹式呼吸なんですか?」
「フム、実はその考えは一概には正解とも不正解とも言えないんじゃ。そこで呼吸の種類をみていくとしよう。」