ボイス教授がわかりやすく、舌と喉の使い方について解説しています。更なるスキルアップを目指して、舌と喉を上手く使うためのトレーニングを覚えましょう。ボイス教授の解説を聞いて、歌上達にお役立てください。
「おっ!シンジ君!歌の練習は頑張っとるかね?」
「ボイス教授、そ、それが。。。。」
「どうした!?? また浮かない顔をして?」
「最近のカラオケには録音してCDにする機能が付いているじゃないですか。
アレを使って自分の声を録音してみたんです。」
「で、どうじゃった?」
「どうもこうもないですよ!! 音程はふらつくし、なんていうんですかね。。。安定感が無いんですよ。正直かなり凹んでいます」
「安定感か。今日は安定感を出す方法を教えていくとしよう」
「えっ!そんなボイトレがあるんですか?」
「ウム、それがあるんじゃ!安心しなさい」
「安定感を作るには歌い手としての体づくりが重要なんじゃ。」
「ランニングして走り込んだり、ウエイトトレーニングして筋肉を付けたりってことですか?」
「スポーツ選手の場合はそうじゃが、歌手の場合はまた違う。
陸上の100mの選手は足が命じゃし、野球の投手の場合は肩が命じゃろう?
歌手の場合はやはり喉が命なんじゃ。そしてその筋肉を。。。」
「鍛えると!?」
「そうじゃ。鍛えるために良い方法があるんじゃ。それはリップロールというものじゃ!」
「へえ、始めて聞きました。」
「リップロールのやり方を説明しよう。
上の唇としたの唇を少し突き出して重ねるんじゃ。
そしてブルブルブルと震わせるようにしてまず息を出してみる。上手くいくと息の続く限りブルブルブルと震え続けるはずじゃ。」
「ブルブルブルブル。。。
本当だ。でもこれで本当に喉のトレーニングになるんですか?」
「フム、今度はブルブルブルブルと震わせながら、喉を指で触ってみるんじゃ」
「あっ、小刻みに震えていますね!」
「昔通販番組でアブロトニクスとかエアロバーなんかの筋トレグッズのCMを見たことがあるじゃろう。
あれと同じ原理で筋肉に細かな刺激を与えることで筋力トレーニングの効果があるんじゃ。
喉の筋肉で大事な部分は表面から見えない筋肉、つまりインナーマッスルにある。
このトレーニングの効果的なところはそのインナーマッスルを着実にトレーニングできるところなんじゃ」
「へえ、ブルブルブルブル。。。これ面白いですね! ハマります。」
「まだこれで終わりじゃ無いんじゃ、リップロールの次の段階ではそのまま声も一緒に出してみよう。ブルブルブルブルー。」
「ブルブルブルブルー、ちょっと難しくなってきましたね」
「これもできるようになったらドレミファソファミレドの音階に合わせて声を出してみよう。」
「ブルブルブルブッ。。。!! 教授、途中で止まってしまいました。」
「これがリップロールのもう一つの目的なんじゃよシンジ君。
安定感を作るもう一つ要素は歌の中での呼吸の安定感じゃ。リップロールというのは実は呼吸が途切れたりあまりにも一定でないと止まってしまうんじゃ。」
「なるほど」
「よくカラオケなんかを歌っていてフレーズの最後で息苦しそうになっている人を見かけるが、アレは典型的な呼吸の安定化ができていない例じゃ。」
「あ、僕よくその状態になりますね。。。」
「まあ、訓練していないうちはそんなもんじゃろう。
最初はゆっくり丁寧にそしてドレミファソファミレドの最後までしっかりと止まらずに声と息を出せるように練習するんじゃ!」