ボイス教授が声を出さなくても自宅で気軽にできるトレーニング法を解説。ボイストレーニングの一つである耳や体の柔軟性を鍛えるトレーニング。ボイス教授の解説を聞いて、是非、歌上達にお役立てください。
「ワシがボイストレーニング予備校校長、ボイス教授じゃ。
今日はシンジ君の部屋に遊びにきておる。フム、なかなか綺麗でいい部屋じゃないか!」
「ボイス教授、シーッ!静かにしてください!この部屋一見綺麗なんですけど壁が薄くて、声が筒抜けなんですよ!
この間夜に歌の練習していたら、隣の人にこっぴどく怒られちゃって。。。
大家さんにも今度やったら部屋を追い出すって脅されてるんです。」
「なるほど。。日本の住環境じゃと、思う存分家や部屋で歌うということは困難じゃからのう。。」
「なにか良い方法はないですか?教授!」
「声を出すだけがボイストレーニングではないからのう!!
そもそも歌が上手くなるとは人間のどの能力が上がることじゃと思うかね?」
「これまでボイス教授に教えてもらったことを振り返ってみるとやはり喉の能力ですか?」
「ウム、もちろん喉の能力も必要じゃが、究極は違うんじゃな!!」
「なんですか?教えてください!」
「それは耳を鍛えるということなんじゃ」
「耳ですか!」
「音楽で一番に重要なのは聞く力じゃ。歌でいうと自分の歌っている声を正しく聞けているということじゃ。
自分の歌声を正しく聞ける耳。
例えば『あっ今音を外したな』とか、あっ今声がかすれてしまったな』とか正しく判断できるということになる。
それが訓練とともに聞く力は上がってくるんじゃ。
つまり歌が上手くなるということは言い換えると聴く力を養うことなんじゃ。」
「具体的にはどうやって鍛えるんでしょうか?」
「普段シンジ君はどんな練習をする?例えばカラオケ用の新曲を覚える時には?
大抵の人はCDを聞いて歌詞カードを見ならがら歌うんじゃないかな?」
「ハイその通りです。逆にそれ以外の方法があるんですか?」
「そうじゃろう。ほとんどの人が「聞く→歌う」この順番で練習する。
この「聞く→歌う」の間にあることをやって欲しいんじゃ。」
「聞いて、それから何かをして歌うってことですか?」
「そうじゃ。正解は「聞く→書く→歌う」じゃ。」
「書く??? 何を書くんですか?」
「それは歌に関して聞こえてくることの全てを記録するんじゃよ。」
「えーっ!!! でもちょっと漠然としすぎていて何を書いていいのかわかりません。」
「例えばじゃな。。。曲を覚える時に歌用のノートを用意する。
そこに歌詞を書いていくんじゃが、、、歌詞を一行書いたら空欄でその下二行くらいは空けるんじゃ。」
「そこに何かを書いていくと」
「例えば息継ぎの位置!例えば発音の仕方『このアはちょっと篭ったオに近いアだな!?』とか、ビブラートの位置だとか。あるいはキーボードを用意して全てのメロディーを書き込んでいくんじゃ。」
「わぁ! 大変そうですね!」
「そうなんじゃよ! かなり大変な作業じゃ。
だがなぜこんなことをするかというと、人間の認知のメカニズムの関係するからなんじゃよ。
「認知のメカニズムですか、、、これもまた難しそうだなぁ。。。」
「簡単にいうと「わかったつもり」という状態と「本当にわかっている」こととは雲泥の差があるんじゃが。
それはアウトプットをしてみるとその差がわかるんじゃ。アウトプットとはつまり書くことじゃ!」
「確かになんとなく聞いてると実際には何も書けませんね。」
「そう!! そのなんとなくをドンドン"確実な耳"に変えていくんじゃよ。
最初は本当にたいしたことは書けないがそのうちにいろんなことに気づくようになる。
何より何かを見つけてやろうと思って音楽を聞くこと自体が耳つまり"聞く力"養ってくれるんじゃよ。」