ボイス教授がわかりやすく、声量アップについて解説しています。更なるスキルアップを目指して、声量の改善に挑戦しませんか。
「ボイス教授!!前回教わっていなかった、呼吸を利用した声を大きくする方法というのはどういうことなんですか?」
「フム、呼吸を利用する前に、むかし音楽の時間に”<”とか、”>”の記号を習ったのは覚えているかね?」
「えーっとなんでしたっけ???」
「覚えていないかのぉ。これが実は声量を増やすボイストレーニングとして重要なんじゃがのう。
では、実際にどのように重要なのか、≒の意味も含めて教えていくとしようかのう。」
「正解は<はクレッシェンド。>デクレッシェンドじゃ。
クレッシェンドは”徐々に大きく”デクレッシェンドは徐々に小さくという意味じゃ。」
「あー!、習いましたね。確かに。」
「どこでもよいので出しやすいキーを小さい声から徐々に大きくしてごらん。」
「ハイ!、アーッ!!、あっ、かなり難しいですね。うまくいかないです。」
「喉で押そうとすると上手くスムーズに大きくならなかったり、喉が痛くなってしまったりするじゃろう。」
「そうですね。」
「そこで呼吸の力を借りるんじゃ。」
「呼吸の力を借りるというと?」
「呼吸で声を支えるんじゃよ。しかもただの呼吸ではない、逆呼吸を利用するんじゃ。」
「逆呼吸?」
「以前も説明したとおり、横隔膜の動きが問題なんじゃが、通常の呼吸をする時は吐く時に横隔膜が上がり、吸う時に横隔膜が下がる。
しかし歌う時は吐く時にも横隔膜が下がっていることが望ましいんじゃ。」
「うーん、難しいですね。息を吸う時の状態で歌うってことですか?」
「そのとおりじゃ。まずは息を5秒ほど吸い続けてみよう。」
「スーッ。お腹が膨らんでいきますね。」
「みぞおちあたりに横隔膜があるんじゃが息を吸った時には自然と横隔膜が下がった状態にあるんじゃ。」
「はい。」
「息が吸われて横隔膜が下がった状態にあるとき、肺の中の圧力は高まり大きなパワーが生まれる。
しかし横隔膜が上がってしまうとその大きなパワーが急激に失われてしまう。
大きなパワーを効率的に使うために歌っている間は横隔膜を下げているほうが良いんじゃ。」
「息を吸っている時の状態で歌う。かなり難しいですね。」
「良い方法がある。まず息を吸う。お腹が膨らみ、胸の位置も少し上がると思うが、カラダをそのままの状態にして声を出す。」
「それならできそうです。」
「慣れてきたら小さい声から始めて、声を大きくするに従って、お腹を膨らまして胸の位置を高くする。
上手くいくと、喉の負担がなく声がスムーズに大きくなるはずじゃ。」
「本当だ!これは凄いですね。早速家に帰って練習だ!」
「おい、シンジ君待ちたまえ。。行ってしまったか。。
まだまだ言いたいことはあったんじゃがのう。
それはまた別の機会にするとしよ」